強盗事件!

先ほど、4時過ぎのことだ。犬が騒ぎ出した。うちの犬だけではなく、道路を挟んだ向かいのNさん犬もその隣りの犬もギャンギャンギャンギャンという騒ぎ方だ。
私は玄関のドアを開けて、道路の方を見た。車のライトが見える。
私は横の森に誰かが犬か猫を捨てに来たのではないかと思った。以前、やはり犬が騒ぐので、見ると車がいて、やがてその車が去り、森からけたたましい犬の声がして走り去った車の後を追いかけて行ったことがあるのだ。


玄関の外に出て見ていると、ライトがこちらの方に来た。夜目に白っぽい色の乗用車とわかった。ナンダロ? こんな時間に? と見ていると、私が立っているのがわかったのではないかと思うのだが、急にバックをして、走り去ってしまった。
その後、森の中の竹やぶの方から竹を踏みしだく音がする。そしてうちの犬もNさんの犬も尚騒ぐ。私は、ヤブを踏む音が大きいので、大きな犬が中に捨てられ、必死に道路側に出ようとしているに違いないと思い、どうしたらいいだろうと、おろおろ気味でとにかくそちらに入って見ようとしたところに、竹やぶと反対の方から、大きな男が、細長い棒を持って、あたりの茂みを振り払いつつ表れた。いきなりだったので驚いて、私はその男に近づきつつ、「こんな時間にこんなところでそんな格好で何してるんですか!?」と咎めるように訊いた。
すると、暗くて顔の表情はよく見えないのだが、その男は、「警察だ!」と低い怒ったような声で一言答えたのだ。
『え? 警察!?』ときょとんとしていると、二台の乗用車がバックしてきて、男たちが何人か降りてきた。すると、つい今「警察だ。」と答えた男が、私に、「うかうか無防備に近寄っては危ない! あんたこそ何してるんだ!」となお怒ったように言って、車から降りた男たちの方に寄って行った。


『怪しい! 絶対犬を捨てに来たんだ。警察だ、なんて言って!』と思った私は管轄の警察署に電話をして、地域と名前を名乗り、「怪しい人が、警察だ、と名乗ったのですが、本当に警察の人がこのあたりを何かの捜査をしている可能性ありますか?」と訊いた。
電話に出た女性が細かくこちらの地域を確認した後、「実はそのあたりで強盗事件が発生しましたから、捜査員が行っています。その人たちは署の人間に間違いないと思います。」と答えた。


それにしても、さっき森の中から出てきた男は、棒で茂みで払い、地面の方を見ていたような気がする。ということは、強盗が何かを落として行ったという想定で探していたということだろうか。ということは、強盗が近辺の森に逃げ込んで、何かの形跡を残してるということだろうか。・・・・・5時になった今、犬たちはやっと静かになり、車もいなくなったようだ。探し物は見つかったんだろうか。強盗はつかまったのだろうか。


4日に長男が来て、夫は嬉しいのと気遣いで興奮し、長男が来るとわかった3日の晩から落ち着かなくなり、徘徊がはじまってしまい、私はまるまる二日間殆ど眠っていない。それで夕べは睡眠不足を少しでも取り戻せるようにと早く休んだのだった。夫も夕べは落ち着いて眠りに入ってくれたし、そうできるはずだった。なのにこの騒ぎである。トホホ。


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