ライブドアスポーツニュースより『新聞メディア、ジーコ・ジャパンの敗因それぞれ』


ライブドアニュースに、『新聞メディア、ジーコ・ジャパンの敗因それぞれ』がありました。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2077486/detail?rd
でもこれには、このような断り書きがあります。
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『新聞メディア、ジーコ・ジャパンの敗因それぞれ』


【PJニュース 06月13日】− ジーコ・ジャパンが敗れた。3─1の逆転負け。試合終了の笛と同時に、日本中にため息がもれた。サッカーワールドカップ(W杯)ドイツ大会、12日に行われた1次リーグF組の日本がフリッツ・ワルター競技場でオーストラリアと対戦し、逆転負けを報じた13日の各社の新聞一面の日本の敗因を比べてみた。


 朝日新聞の中西路徹記者は「ジーコのリズムが乱れた」と見出しを掲げ、「消耗戦の後半 不可解な交代」とジーコ采配のミスを指摘した。後半34分のFW柳沢敦選手をMF小野伸二選手に代えたことを取り上げ、中西記者はこれまでのジーコ監督に選手交代は、「FWがばてれば、同じFWを投入して前線を活性化させ、激しい展開を凌いできたはずだ」と采配ミスを指摘した。FW大黒将志の投入も逆転の後で後手後手だと加えている。


 産経新聞の森本利優記者は日本チームの戦いぶりを、なりふり構わずに攻めてくる豪州の圧力に凌ぎきれず、残り10分を切って崩れたと報じた。元日本代表コーチで、J1大宮トータルアドバイザーの清雲栄純氏のコメントを入れ、「2点目のチャンスがあったのに、攻めに出る勇気が足りなかった」「守りきろうという意識が強すぎた」と精神面を敗因に上げた。


 清雲氏の「マイボールになった際には、全体を押し上げないと」「日本のよさは中盤でしっかりボールを回せること。勇気を持ってボールを回し、相手を疲れさせないといけない」のコメントを取り上げ、中盤のボールの奪い合いでオーストラリアにゲームの主導権を握られたことを暗に示した。敗戦ショックのムードを変えるために、カンフル剤としてFW巻誠一郎選手の導入を提案している。


 読売新聞の杉元雅彦記者は、ゴールキーパー川口能活選手の再三の好セーブを称えながら、84分のゴール右からのロングスローに対しての飛び出しが、一瞬の判断ミスで相手に同点ゴールを与えたと指摘している。


 毎日新聞の小坂大記者は、敵将オーストリアヒディンク監督の戦術を解説し、「世界でも有数の名将の『知性』と、現役時代に世界中を魅了したスター選手が指導者として貫いた『自由』という哲学の対戦」だったと説明した。試合後のヒディンク監督のコメントを取り上げ「計画がなければ幸運は呼び込めない。選手はうまく実行してくれた」と「知性」のヒディンク監督の采配に軍配を上げた。


 東京新聞の野村悦芳記者はジーコ監督に焦点を当て、これまで日本代表選手を父親のように育ててきたジーコの現役時代からの軌跡を紹介し、残り2試合に本来の力が発揮できるようにエールを送っている。


PJ佐藤の視線
 さて、筆者、PJ佐藤による日本対オーストラリア戦の戦評は、中村選手のクロスがゴールとされたのは判定ミスと考え、実際の結果は0─3の日本の惨敗だ。試合前日のMF中田英寿選手のコメントを思い出してもらいたい。対オーストラリアのゲーム・ポイントについて「日本チームの早いパス回しだ」と応えている。


 ヒディンク監督の試合後のコメントに、日本チームの中盤からFWへのパスの出どころを止める研究をしてきたとある。勝敗の行方はここにあった。結果としてうまく作用しなかったが、ジーコ監督が柳沢選手の変わりに、大黒選手ではなく小野選手を投入した意味がここでもうなずける。


 日本の中盤でプレスがほとんどかからず、オーストラリア選手にボール支配の主導権を握られ、日本の守りのラインは後退する一方のゲーム展開。日本の残されている戦法は、敵の攻めを凌いで、カウンターアタックで追加点を得ることだったが、FWのシュートにつなげる最後の決定的なパスミスが見受けられた。ジーコのコメントした「してはいけないミスがあった」というそのひとつだ。試合は生きている。ミスをしたチームは敗れる。


 戦評とは別に、26分の中村俊輔選手のクロスが直接ゴールに入った先制点に触れてみたい。何度もリプレイを繰り返したが、テレビの実況を報じるアナウンサーと解説者から、ゴールキーパー接触したFW高原直泰選手とFW柳沢敦選手の反則の可能性を口にしなかったこと。


 その判定に対して、ピッチに入り込もうとする勢いで怒鳴り立てるオーストラリアのヒディンク監督を、周りのコーチらが必死で取り押さえているシーンが流れたが、何もコメントされなかった。試合後の同監督は、「日本の得点はゴール・キーパーへの反則であった」とコメントしているくらいだから、負けていたら「判定に敗れた」とでも言ったかもしれない。


 判定が微妙だったと見る人もいるだろう。日本を応援する気持ちはわかるが、少なくとも、実況中継者や解説者は、冷静に中立的に、一つひとつのプレーを解説すべきだ。【了】