キング・コング

新しいキング・コングが封切されるらしい。こういう映画はかなり好きなのだけど、でも観れない。若い頃、封切されたキング・コングを観て、映画館で大泣きして周りの人の顰蹙をかった。仕方なかった。止めなきゃ、止めなきゃと思うのに、キング・コングが可哀想でならず止められなかった。フランケンシュタインもそうだ。私は相当彼ら寄りだ。

中学生になるまで、映画館が近くになく、めったに映画が観れなかった四国の田舎に住んでいたから、映画といえば学校から集団で観に行くものか、村の組合の広場で夜間に上映されるものしか観れなかったが、中学生になって東京に移転し、自由に観れるようになると、私は結構映画好きになった。
クラスの友達の影響で、妖怪もの、お化け物などをよく観るようになった。当時は、それらは恐怖の存在だった。だが成長するに従って、妖怪たちの多くが純真な心を持ち、妖怪と言う運命や立場ゆえに人間に疎まれ、ついには追われたり殺されたりするのだ、と理解できるようになると、妖怪たちに気持ちが寄っていくようになった。
特に、我が家に猫や犬を捨てられるようになり、自分の生活が壊れていき、随分苦しんでいるのだが、捨てた人たちは、それを痛むどころか、事情を知らないままに悪口を言う人と一緒になって冷笑することもあるのを知るにつけ、一気に妖怪や怪獣側に添うようになった。
(危ない人になったってことかな? 笑)
もっとも、もともと私の”正義感”は数の多い方をよしとするような体質ではないけど。中学一年の時に、ある事件を起こした男の身の上を新聞で読み、父に、「この人、可哀想。」と言ったら、「そんなこと絶対人に言うな、お前はヘンだと言われる!」と父はまるで私がその男と同じ罪を犯したかのように恐ろしく怒ったっけ。(鬼父!)
まもなく封切になるキング・コングの予告をテレビでやってるのを観ると、面白そうでわくわくする。・・・観れるかなぁ、大泣きしないという自信がないからなぁ。