仰木さんを想う

仰木さんが亡くなられた後、報道から、この人がいかに多くの人たちに慕われ信頼されていた人だったか、そくそくと胸に伝わってくる。選手の多くは、この人に出会って幸いだったなぁと思う。真に尊敬できる人に出会えた人生を得ることは、本当に大きな喜びであり幸せであろうからだ。
その選手の方たちの言葉から知る仰木さんの”愛”は、すれ違ったことすらない私にも実感のような感動を与えてくれる。それだけに、亡くなられたことが寂しいと思う。だけど、ふと思うのだ。悪い様があると、『氷山の一角』というが、これは佳いこともそうに違いない。真実、愛を持って生きておられる、無名の”愛ある存在”は、地球上にたくさんたくさんおられるのだろうと。

非力な私たちは、こうやって愛の存在に支えられている。・・・このことに気づく時、深く思うことがある。いかに己が寂しくとも、”むさぼってはいけない”と。人間の弱さは、しばしば、人に頼り寄りかかろうとしてしまい、それを正当のことのこととして、実は自分はむさぼっていたことに気づかない。・・・このことが、今の時代を作っている。冷淡で自己中心な時代を。