第三十一回 この世の悲しみ

前回の予告編で、城が崩壊している様が映っていたので、敵に攻め込まれよね姫(森迫永依)が命を落とすのかと思っていたが、今回のドラマを千代(仲間由紀恵)が城中を夜回りしている所に、娘のよね姫が、「なんだか怖い、母上と一緒にいたい。」と言うのを千代が叱っている場面から観たのだが、その時、(ああ、そうか、地震が起きるのだ!)とやっとわかった。なんと史実に疎い私だとトホホホとなったとたん大地震が襲った。


時は天正13年11月29日。一豊(上川隆也)は、秀吉(柄本明)の命で、弟康豊(玉木宏)をともない、徳川家康西田敏行)に上洛をするよう説得に行って留守のことである。
千代と一豊がいかによね姫を掌中の珠としていたかわかるだけに、二人の憔悴しきった様は痛ましかった。
一豊は、家康の説得から帰る途中で早馬の知らせがあり駆け戻ったのだ。


母の千代の嘆きは深く、千代が縫ってやり、よねが喜んでいたパッチワークの着物を持って城下町を彷徨う。誰かに着てもらいたかったのだ。そして女性と手をつないで歩いているよねにそっくりの女の子を呼びとめ、着物を渡す。この女性が石川さゆりが扮していて、首に十字架をぶらさげている。
石川さゆりはとても清潔な品を漂わせて、「死は神の傍にいける喜びがある。」というようなことを言って去る。
その言葉に感銘を受けた千代は、教会をのぞいてみる。
そこに細川忠興の妻、玉(長谷川京子)がいる。
千代は玉が、「死んだ人のためにも強く生きなくてはならない。」と言った言葉を聴き、立ち直るきっかけをつかむ。


仲間由紀恵は熱演であった。この人は真実綺麗な顔立ちだが、繊細さに欠けるのが難点だと思っていた。明るさは地でやれるが、子供を失った演技ができるのだろうか、と言う気持ちがなくはなかった。
でも、堪えても堪えても悲しく、どんどん絶望の淵によっていく感じが出ていた。
自分の悲しみを堪えて、その千代を必死で支える上川隆也の一豊も内面的な重さ、深さを感じさせていた。
この二人に添って、よね姫の死を一緒に嘆いた。
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お薦め功名が辻
自分の感想を書き終えると毎回お訪ねしている日本史日誌さん。今週は前田利家ゆかりのエピソードなども入っています。http://d.hatena.ne.jp/sanraku2/20060806


ガラマニさんの篤い仲間由紀恵さんへのラブコール(と言っていいですよね!?)。感動してしまいました。仲間さんが見たら、この厳しさ、泣いて感激するゾ!
http://d.hatena.ne.jp/garamani1983/20060806/1154867030
話は変わりますが、ガラマニさん。古村比呂さんてそんな素晴らしい女優さんだったのですか。観たかったなぁ〜。