瀬川さんより”埼玉の老人ホーム、猫事件(抗議編)”

私が↓の二つの記事を書いた後、掲示板に、『野良猫保護・管理ボランティア』の瀬川努さんから続報が入っていることに気づきました。(瀬川さん、今日の早朝に書かれていたのですね。チェックが遅れすみません。)
ーーーーーーーーー瀬川さんの報告ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事件の真相が分かった今、愛護団体などの依頼を受けて、短絡的な報道をした新聞社への抗議をはじめました。

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■■■報道の問題点

1) 警察は、猫と断定してないこと。
物言えぬ、猫ゆえの報道。(人間なら、とても書けないはず。)
しかし、事実を知るため、また人間社会への大きな影響を考慮すると、相手が動物であろうと、正しい報道の姿勢は貫くべき。
2) 網戸は、元々ほつれていて動物が破ったのではないこと。
網戸を猫が破ったとするのと、元々ほつれていたとするのでは、前者は凶暴で危険な動物、後者は動物のごく自然な侵入と、全く違った認識を与え、大きな誤解を生む。
3) 猫は、建物に囲まれた中庭に、2週間閉じ込められていたこと。
2週間、絶食していたという事実は、それがどんな動物であれ、凶暴性より異常な状況下との認識を与える。正しい報道として誤解を与えぬよう、この事実は伝えるべき。
4) ホームの管理が、ずさんだったこと。
2)及び3)の状況から、ホームのずさんな管理が浮かび上がる。従って事件の本質は、凶暴性やショッキング性なのではなく、ホームのずさんな管理にある。
言い換えれば、ずさんな管理が凶暴でショッキングという、誤った認識を生んだと言える。
新聞の使命から、この本質に焦点をあて、ずさんなホーム管理への警告を、社会に発するべき。
以上。

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以下、共同通信社との話。
まず共同通信は、3)の閉じ込められた事実を知らなかった。(私のレポートで知って、驚いていました。)
また昨日、新しい記事を発信したと言ったが、大した内容ではなかったことと、上記の問題や本質を踏まえてはいなかったので、再度、記事を要求。
上記の問題点に照らして、共同通信の記事が、他紙と比べても多くの問題があることを指摘。
1)は、全紙に問題があるが、
2)は、朝日、読売などでは正しく報道。共同通信は、動物が破ったとも受け取れる。
3)は、やはり全紙が伝えていない。(恐らく気付いていない。)
4)は、朝日、読売などが網戸の修復すべきだったとの、ホーム側の談話を載せ、サンスポが、猫を早く保健所に捕獲してもらうべきだったとの談話を載せる。(ちなみに、捕獲は「動愛法」違反。正しくは追い払うべき。)共同通信は、ホーム側の責任に全く触れていない。
このような点を話し、訂正記事を促す。共同通信は、東京や中日が先に書いてもっとひどい内容だと応じる。そちらは、これから抗議する。しかし、「みんなで渡れば恐くない」とはいかないと話す。
共同通信のデスクは、私の抗議に概ね了解するが、再度記事を書くとは、約束しない。
私、「事実は、現実のどこを切り取るかで、全く認識が違ってしまうんですよ。大事なのは、正しい認識です。」
デスク、「全くその通りです。」
私、「ただ訂正記事を書くというより、今回の殺伐とした事件から、捕獲された猫へ焦点をあてた、深い意味での命の大切さを訴える記事を書かれたら如何でしょう。」
デスク、「そうですね。」
新聞は、とかく書いたらそれっきり。しかし、その後の経過に真実が見えることも多い。
この事件も、そういった経過を取り上げることで、より豊かな紙面づくりが出きるのではと話す。
最後に、「1週間後に確認の電話をしていいですか」と訊ねたら、「はい、どうぞ」と答えてくれました。

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約束はしてくれませんでしたが、1週間の間、どうするか見守りましょう。
そして、命の大切さを訴えるためにも、捕獲された猫の殺処分中止を求めることを、皆様にお願いいたします。(センター春日部支所、048・735・2451)
また、共同通信は全国に配信されますが、掲載の判断は、それぞれの地方紙がします。なので、皆様の地方紙、並びに全国紙にも訴えて下さることを、お願いいたします。
抗議がファックスの場合、抗議の必要に応じて、私のレポートをご利用頂いても結構です。
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/classis/neko/neko05.htm
(ここに、「印刷用」レポートがあります。
このまま印刷して下さい。署名はカットしても結構です。)
最後に、今回被害にあわれたご老人に、心よりお見舞い申し上げます。
ーーーーーーーーーーー瀬川さんの報告 ここまでーーーーーーーーーーー

瀬川さん、毅然とした精力的な対応ですね! 必要なことを報道関係にこのように堂々と言って下さり、素晴らしいです。動物問題、介護問題ともに、あまり人が関心を寄せていないだけに、意識のUPもないまま忘れ去られるような気がして、私は必要とあらばコツコツとブログに書いていくぞ、とひそかに思っていたのですが、瀬川さんがこうして広く主張し、抗議され、本当に嬉しいです。
人が意識しない問題の中に、人間が気づいていかなくてはならないことがあり、動物たちの問題の中に、もっとも多くそれが埋まっていると思っています。
どうか今後とも、勇気ある活動をお願いします。私も自分のできる限りのことはやっていきたいです。
感謝と拍手をこめて マオアキラ
★追伸 網戸はもともとほつれていたのですね。私は↓の記事を書くにあたって、網戸を猫が破ったと思い込んでいました。