さだめの歌

kazesk2006-02-23

『さだめの歌』って、まるで演歌のタイトルだが、これ、2003年4月、さいたま芸術劇場で上演したミュージカル『森のおく』の挿入歌の一曲である。
作詞は一番が私、二番がキャスト兼スタッフで活躍して下さったノエルさん、作曲は音楽家平岩佐和子さんにお願いして創っていただいた。
昨日のことである。その作曲の平岩先生から電話がきた。「わぁ〜、懐かしい! その節はありがとうございました〜!」と歓声をあげる私に、平岩先生は、「さだめの歌を、今度出す私のCDに入れたいのですが。」と鍛えられた美しい声で言われるのである。(ジャジャジャジャーン!!!)
『さだめの歌』は、生まれて親の懐にいた猫たちが、人間に捨てられ、森のおくで親を恋しがりながら、ついに息絶えてしまった・・・この猫たちが、私たち人間や天にむかって切々と歌う歌である。私自身の、長年に及ぶ、捨てられた猫や犬と暮らしてきた中で感じつづけてきた魂の歌である。この歌が、平岩佐和子さんの清らかな歌声にのって、誰かの胸に届く・・・なんと嬉しく幸せなことだろう・・・この喜びは、たとえようもなく深い。
生きていてよかったとはこういう日のことに違いない。
しばらく、『森のおく』の思い出にひたった。
『さだめの歌』は、一番は、捨てれて親を呼ぶ子猫たちの思いを私が書いているのだが、二番は、生命あるものの魂がいきつくものをノエルさんが作詞し、深い歌にしてもらった。前にもブログで書いたことがあるのだけど、もう一度ここに出しておこうと思う。

さだめの歌 一番 マオアキラ 作詞・平岩佐和子 作曲

(猫1)
ぼくたちは生まれた
生きたかったよ 母さんの懐で
ぼくたちが望んだものは ただそれだけ
でも・・・人間がぼくらを捨てた
ぼくらは呼んだ 声がかれるまで
涙がなくなるまで
母さん 母さん 母さん お願い 来て 
おなかすいたよ お願い 抱きしめて

(猫2)
でも 母さんは来なかった
あたしは知ってる
母さんが あたしを必死でさがしたことを
母さんの願いは ただあたしを見つけることだけだった
母さんはやせ細り 毛を逆立てて
あたしをさがし回った
ああ それすらも 叶えられなかった
あたしと母さんは 二度と会えなかった


さだめの歌 二番 ノエル 作詞・平岩佐和子 作曲

(猫3)
気づいたらここにいた
うれしかったよ 腕に抱かれて
ぼくたちは理解したんだ
これも運命
そう この森に来たこの子猫も
これからは ぼくらと一緒
いつまでも一緒に

だけど いつか きっと生まれ変われる
その時は 本当の優しさに出会える

(猫4)
ええ 心配しないで
あたしは知っている
どんな生き物にも 終わりがあることを
悲しいことだけど 永遠に生き続けることはできない
それは少し早いか それとも少し遅いか
わずかな違いだけ

ああ でも あなたたちに会えて
もう一度 生きてみたいと思った
この森のおくから

ああ もう一度生きてみたいと思った
この森のおくから
森のおくから・・・・・・・

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他の歌は、このURLに出しています。よかったらぜひのぞいてみてください。
http://www1.odn.ne.jp/~maomao/03morikasi.html

私のサイトに、平岩佐和子さんをご紹介しています。目次URLはこちらです。この目次の左にある『平岩佐和子さん』をクリックして下さい。
http://www1.odn.ne.jp/~kaze2005/kazemokuji.html

写真は舞台を創っている過程