節約殺人

今回は、伊藤かずえさん演じる、売れっ子節約コメンティーターの殺人。伊藤さんは、テレビで引っ張りだこの『節約コメンティーター』だ。冷蔵庫の扉の内側にビニールを張っておくことや、冷蔵庫内の電球を取り外して電気代を浮かす術を、視聴者に伝授して人気がある。・・・とある夜、伊藤さんは帰宅途中、殺人事件に遭遇する。驚き恐怖の思いを持って家に帰りつく伊藤さん。・・・帰ってみると、夫が、ビール缶片手にテレビに見入って大笑いをしている。この夫は、伊藤さんが活躍はじめてから働かず、こうしてだらしのない日々を送っているのだ。
この瞬間、伊藤さんに殺意がおこる。さっき見た殺人事件を利用して、夫を殺そう、という思い。伊藤さんは実行する。・・・・・この事件を、回を追うごとに磨きのかかる我らが右京さんが、自宅を公開した伊藤さんのグラビア写真の中に、凶器に使われた壷がかわっていたことから、伊藤さんの犯罪だと推理するのだ。
右京さんの推理は、伊藤さんの心の奥で苛立つ潔癖な節約心をも掬い上げ、ドラマの色合いをよりお洒落な陰影をつけていく。
伊藤さんがラストで深いため息の声で呟く。「夫という無駄を節約したの。だから悔いはないわ。」右京さんは答える。「殺人は、最も大きな無駄、と思いますがね。」・・・深いなぁ。・・・というわけで、今回も面白く観ました。