けものみち 最終章

原作を読んだつもりだったけど、読んでないらしく一向に筋を思い出せず、また途中から観たので、人間関係や利害関係がよくわからず、この最終章で、確か刑事だったはずの仲村トオルとヒロイン米倉涼子がなぜ逃避行となっているのか、なぜ佐藤浩市は追っかけてきたのかなどさっぱりのみこめないままそれでも観てしまった。
うーん、後味が悪いなぁ。
みんな強欲な情感のない人間ばっかりで、しかもみんな死ぬか堕ちる。松本清張は、運命に立ち向かった(のしあがった)人間の足元に常に落とし穴があって、そこに落ちていく(破滅していく)者(不条理)を描いていることが多いから、死ぬか堕ちるかはそれでいいのだけど、そこから考えると、民子はなぜ殺されなかったのだろう? と思えてならない。 のみならず、民子は、鬼頭のものだった国を左右するほどの意味が収まっているマイクロチップを所有して生き残った(勝利者になった)ではないか。それがどうも腑に落ちなくてしかも後味が悪いのである。原作ではどうなっているのだろう、読んでみなくては。


ケチをつけたくはないのだけど、佐藤浩市は役の理解が甘過ぎ。私は若い頃、この人の父親の三国連太郎さんの凄さに敬服していたせいか、この人を見る目が辛くなる。この人は自分を知らない。それに気がつかなきゃ、今のままだよ。・・・ナアンチャッテ! エラソーなことちょっと言ってみたかった。