高校生放火事件

今見ているワイドニュースで、自宅に放火し、母親と弟、妹を死なせてしまった高校生の事件を報じていた。それによると、高校生は先妻の子供、つまり亡くなった母親は、継母であると知った。


私は実母を赤ん坊の時に亡くし、後、継母が現在の人を含め三人替わった。
一人目の継母は父と毎日言い合いをしていて、父の留守の日に実家に戻ってしまった。この継母がいたのは、何ヶ月もなかったような気がする。
二人目の継母は、弟を早産で生み、その子がすぐに亡くなると、実家の村の池に、着物の袖に石をいっぱいつめて身を投げて死んだ。
そして三人目の継母は、今も健在である。この人は、私が二十歳の時に父と結婚したのだが、私が、彼女にいい娘、心労をかけない娘、出来れば自慢ができる娘であればもっといい、ということを、いつも私に知らせていた。私はずうううううっとそれにあわせて生きた。
家の中で、私の苦しさや疲労をわかるどころか、わかろうとすらしてくれるものはいなかった。ともに喜び、ともに悲しんでくれるものがなく、常に形の上でいい娘でいるということの重圧は、その時は自分が悪いと思い続けて耐えているから、本当に苦しく寂しいものであった。
私は誰も殺したいと思ったことはなかったが、父と継母から逃れるために、死んでしまいたいと思うことが多かった。


放火した高校生がどうであったかは知らない。ただ・・・恐ろしいことをおこし、小さな弟や妹まで酷い死なせ方をしてしまったのに、可哀想に思えてならないのだ。
こんなことを書いては、亡くなった方を冒涜するものかもしれない。