子連れ狼

今テレビをつけたら、北大路欣也の『子連れ狼』を放送している。
このドラマを観ると、私は自分と犬や猫の関係を思う。要するに、昨今の世情のようにセレブ風に動物を飼っているのではなく、このドラマの親子のような関係で生きてる感じがするのだ。


でも、おがみいっとう氏は、子供のダイゴロウがどんな目に合おうとも必ず助けるが、私は行方不明になったムクとチャーリーとタローをついに見つけてやることができなかった。あの犬たちは、必ず私が自分を探し出してくれると信じていただろうに・・・・・。病気や事故で死んだ動物に対しても同じ思いだ。私は助けてやれなかった。あんなに信頼して慕ってくれていたのに。


このことの辛さと寂しさにふと打ちひしがれる時、私の家を、『犬や猫だらけの家』と蔑してなお近くに捨てていく人や、真実を洞察することなく自分が思ったことを事実であるかのように声高に言いふらして貶めてきた人たちに、息苦しいほどの重い落胆を覚えることがある。いつもはたいてい暢気でなるようになるさ、と天をむいて生きているが、こういう時は、天にも顔向けができないような気持ちになり本当に本当に悲しく辛い。


くさりでつながれたまま、餌も水もめったにもらえず、散歩に行くことも頭をなぜてもらうことも、「可愛いね。」と言ってもらうこともなく死んでいく犬。・・・この世において、私もこの犬と同じなのだと、思う。
犬は、毎日食事ができて、散歩に行って、たまにでいいから駆け回る機会を得て、頭をなぜ「可愛いね。」と言われたら、他の何も望まず幸せであるだろう。私が望んだこともそれだけだった。