しろくま

坂東真砂子氏の子猫犬殺しに振り合わされるのはもうやめにしたい。私は生き物の死骸が散乱している谷を彷徨ってる夢や、6月に森の茂みから救い出した子猫四匹が、いなくなってしまい、焦りまくって探している悪夢を見るほどになっていた。立ち直らなくっちゃ。
それにつけても、6月に見つけた時、目やにでぐじゃぐじゃの顔をして怯え出ていた子猫たちがやんちゃ盛りになって飛び回っているのを見ると、「生きてるって美しい!」と今更のように思う。


と、ついさっき、愛媛県の松山の動物園のしろくまが人気者だという放送を観たのだが、あのしろくまは、二匹の兄弟で生まれたが、親がノイローゼ状態になったらしく子供の頭をくわえ、一匹はそれがもとで死んでしまい、残った一匹は飼育係りの人に救い出されて人工的に育てられたという。
高市さんという人が、夜は自宅に連れて帰り、100日以上、15分と離れず育てられたらしい。赤ちゃんの頃、高市さんの胸の上でじゃれたり、眠っている姿が映っていたが、その可愛らしさには思わずぼおっとしてしまったが、家で飼うのが無理になり、動物園の檻に入れてしまった日、そのしろくまが、高市さんを呼んで呼んで泣き叫んでいるのを見て辛くて顔がこわばってしまった。
その後も、そのしろくまは、痙攣を起こしたりして異常な様子になっていた。ある日、高市さんが檻の前にくると、身体を後ろに弓なりにのらせ、そのまま水の中に落ち、そこで痙攣を起こした。
間一髪高市さんが救い出して一命を取り留めたようだが、それから胸が塞いで仕方がない。
私は動物園反対の気持ちだから、尚のこと、あらためて動物に対する人間の罪の深さを覚えてならない。
あのしろくまが、せめてこれから元気で何不自由なく、災難にあわず生きられるよう祈りたい。