冬のソナタ

遅まきながら、やっと『冬のソナタ』を見始めた。図書館に申し込んで、三巻まで借りられた。一巻に二話入っているから、一気に六話まで観ることができたわけだ。

まず、原作(脚本)の人物の描き方が確かであること、出演者がその人物をよく消化してなり切っていることに感動した。次に、チェ・ジウの素晴らしさに感歎であった。一巻は高校生時代であるが、チェ・ジウは可憐でお茶目で利発な生き生きとした高校生を演じ、年齢の差を感じることはなかった。
ペ・ヨンジュンは年齢の違和感は少しあるのだが、登場から、この人の”魂のひろがり”のようなスケールには心惹かれるものがある。よく言う、”オーラ”というやつである。
もう一人の重要人物、役名『サンヒョク』は素敵な人だ。根っから心根が温かで誠実で爽やかで、こういう人こそ幸せにならなきゃおかしい、とまで思えるほど清らかな人間性の人。日本人の俳優で言えば、デビューの頃の妻夫木さんかな。
この三人に加え、ヨンジュンに心を寄せるジウのクラスメートで同じ放送部の美貌のチエリとの四角関係が、ペ・ヨンジュンの父親が誰か、という謎も絡み、切なく美しく物語は展開していく。他にも、仲のよいクラスメートとして人がよくてひょうきんなチンスク(この人はワハハ本舗の柴田に似ている)、それから熱血漢の(?名前を忘れた、ゴメンナサイ)、男子生徒がいる。
ペ・ヨンジュンが持っていたちぎられた写真から、彼が思っていた、サンヒョクの父親が父親というのは違うのだろうとわかっていたが、わかっていても尚物語の展開と人間関係に心が強く引っ張られていく。


結局、ヨンジュンとジウは、”きょうだい”だった。(ですよね?)そこで、この物語はどうなってしまうんだろうか、と気になったら、一巻のラストで、ヨンジュンは事故で死んでしまうのである。ヨンジュンは、自分が捜していた父がジウの父親であったことを知って、ピアニストの母とともにアメリカに行こうとする。その前に、ジウとヨンジュンは大晦日のデートの約束をしていて、ジウは、待ち合わせ場所で待っている。ヨンジュンは来ない。彼は空港に向かっている。待ち続けるジウ。
ヨンジュンははじかれたようにタクシーから降りる。驚き呼ぶ母親。別のタクシーを止めジウの待つところに向かうヨンジュン。車を降り、道路を横切るヨンジュン。そこに高速でつっこむように迫ってくる車のライト。
待っているジウ。泣きそうな顔のジウ。突然夜空にあがった花火。見上げるジウの悲しみで潤んだ瞳。
長い時間、ヨンジュンを待ったが来ないので、とうとうあきらめ、バスで帰るジウ。悄然とした表情のジウの窓の向こうで、パトカーや救急隊の姿が見える。事故にあったヨンジュンの現場である。ジウはただ前をむき悲しげである。


翌日、ヨンジュンに何と言ってやろうと、考えながら学校に向かうジウ。学校に着くと、級友のチンスクから、ヨンジュンの死を告げられる。廊下に飛び出すジウ。追ってきたサンヒョクに、「チュウサン(ヨンジュン)に会わなきゃ! 言わなきゃいけないことがあるの!」と悲痛に叫びながら崩れるジウ。
・・・こうした場面が、どの俳優からも、シラケやウソの匂いが立たないのだ。このことの感動は、観ている自分の胸を熱くする。


二巻からは十年後になる。設計事務所にキャリアウーマンとして働くジウ。彼女は、浮ついたところのない、自立した女性として現れる。・・・あのジウが大人になったらこのような女性になるだろうと、すんなりと納得させられる。
美貌のチエリはファッションの店を経営し、一層才能と美しさを誇っている。チンスクはジウのルームメイトとしている。ヒョンスクは、ジウの婚約者である。
こうした中に、再びヨンジュンがこの年の初雪が降った日に現れたのである。勿論、前のヨンジュンとは別の人物である。
動揺し、サンヒョクへの気持ちが揺れ始めるジウ。実はこのヨンジュンは、チエリの恋人であった。・・・・・こうして、十年の時を越えて、同じメンバーの恋の四角関係が切々とはじまるのだ。


ではでは、ここまでは、ただの物語の筋追いになってしまったが、今後、四巻、五巻、六巻と全部を観ていって、感想を書き綴ってみたいと思う。
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