第四十四回 関が原

ドラマ始まって以来の大きな合戦シーンのある回。
だが主軸は、石田三成中村橋之助)の敗北だ。
先週、大名の一人(浮田?)が、三成にこう言う。
「三成殿は正しすぎる。三成殿の言葉を聞くと、誰もが自分の悪しき心、弱い心を自覚してくる。そして三成殿を憎むようになる。」
このセリフは原作にあるセリフなのだろうか。
私は大石静の現代への実感のセリフのように感じた。
そして、このセリフに顕される三成の運命こそを、この回に描きたかったのだろうと思った。
三成の敗北は、小早川秀秋の裏切りをはじめとして、多くの大名が家康側(西田敏行)についたことによるが、ラスト近くに、馬で逃走する三成が、「なぜだ、なぜだ!?」と悲痛な声を発するが、『義に生きる三成を、自分の利益にそった大名が裏切った』とするのは、現代に生きるものには実感的にわあkりやすいが、ドラマの線は細くなった気がする。
よくわからないが、この時代は、自分の家の安泰を願って強い側につくことこそ、『義』であったろうという気がするのだ。
そういう意味では、一豊(上川隆也)の決断はまさに骨太な選択であったと言える、と思った。


余談ですが、今回は千代(仲間由紀恵)の出る幕はないと思っていたのに、一豊や新一郎(浜田学)のセリフの中に重要な影響を及ぼす形で出てきたのに感心してしまった。
それから、六平太の今回の働きはちょっと安易過ぎないかい? もうちょっとうまく使って欲しいなぁ。